2007年01月12日

更新とキャラ紹介

リレーファンタジー小説。
ブルームーン・シンフォニー」を更新しました。

第四話めと言うことで、二順目に入ります。
物語は全然進んで感じですが、この先どうなるのか。
全然見当も付きません(笑)

そこがリレーの醍醐味ってやつでしょうか?
にしても、剣と魔法の世界って相変わらず難しいです。

そして、キャラ紹介。
私の書いてるメインキャラで、ソニックです。
ARUさんに描いて頂きました。

soni.jpg
posted by 沙月涼音 at 23:06| Comment(0) | TrackBack(0) | オリジナル小説 リレー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月29日

更新しました

グループ小説?
いえ、そっちじゃなくて(笑)
リレー連載小説「ブルームーン・シンフォニー」です。
小源太さんによる、第三話を追加いたしました。

今回は東の国のお話です。

posted by 沙月涼音 at 12:21| Comment(0) | TrackBack(0) | オリジナル小説 リレー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月01日

連載開始

本ブログで掲載していた「ブルームーン・シンフォニー」
ウメさまから、リレー小説でも掲載可能との回答が頂けましたので
「小説家になろう」での連載を開始いたしました。

メンバーは、私、ARUさん、小源太さんの三人で書いてます。

何分リレーという形式なので、UPは不定期になるかもしれませんが、月一を目指して出来ればと思ってます。

今回は、こちらで掲載済みの二話分を掲載致しました。
次回は来年年明けになると思います。
では、気長にお付き合い頂ければと思います。

作品はこちら。
ブルームーン・シンフォニー


〜こめんと返し〜
シーナさん、さ〜りゃん、ヨンさまは続きへどうぞ
続きを読む
posted by 沙月涼音 at 03:21| Comment(1) | TrackBack(0) | オリジナル小説 リレー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年09月01日

BlueMoon Symphony #2 by ARU

moon.jpg


 世界の西に位置するローレライ。ローレライは、水の精霊が守護する国で、生活の源となる水は豊かである。ローレライは大きく分けて三つの街から成り立っている。北の街ナイアス、南の街ニンフ、そして、ニンフの西にある街ヒューロン。
 ローレライの地方では、水を司る精霊ウンディーネを信仰している。ヒューロンの街の最西端にはエンフィールドと言う港町があり、漁業は勿論の事、他の国への客船や貨物船が出航されている。ローレライの財政は漁業と豊かな水が大きく占めている。水は水不足の国へ販売しているのである。
 ローレライにはウンディーネを祀る教会が多数ある。どの教会にも精霊像が置かれているが、教会によって大小様々である。
 北の街ナイアスには、ローレライで一番大きい教会(名前はまんまだが、ウンディーネ教会と言う)がある。精霊像の大きさも他とは比べ物にならないほど大きい。(二階建ての家屋から頭が飛び出る位、と言えば想像していただけるだろうか?)その為、ニンフやヒューロンからの参拝者も少なくない。
 そのウンディーネ教会の前で一人の少女が足を止める。耳が長く先が尖っている、エルフ族という証だ。年の頃は人間で言うと十代前半というところだが、実際はもう少し年上だろう。エルフ族は人間よりも成長が遅いのだ。
 少女は三角屋根の天辺に置かれている精霊像(こちらは大人の倍位の大きさ)を見上げ、「ここだわ」と呟く。ひとつ呼吸して、少女は教会の扉を開ける。
 中に入ると一般的な教会の大聖堂と同じ様に、入り口から真正面に通路が延びていて、通路の先に精霊像が祀られていた。通路の左右には木製の長椅子が均等に置かれている。
 夕刻時だからだろうか、少女の外に参拝者は見当たらない。
 少女は精霊像の前まで来ると、その大きさと美しさに感嘆する。右手には船を導く灯を掲げ、左手には決して渇くことが無いと言われる水瓶を脇に抱えている。
「此処を守護する精霊に聞きたいことがあります。姿を見せて下さい」
 少女がそう呟くと、精霊像の辺りからやんわりとした声が聞こえた。精霊像を見上げると、霧が出てきて段々と女性の姿が現れる。彼女はふわふわと少女の前に降りてきた。
「シルフ様の使者でございますね。私は此処の精霊像を守護しているダリアと申します」
 ダリアは少女の前で方膝をつき、頭を下げる。少女は頷き、頭を上げるように言う。
「アンセム・A・フィアナと申します。こっちは守護精霊のシンク」
 先程まで誰も居なかったフィアナの後ろに、細身で長身の青年が現れる。
「水の宝玉が何者かに盗まれたと聞きました。その時の状況を詳しく聞かせて下さい」
「その時の事は、私からお話いたしましょう」
 落ち着いたその声の主は、奥にある扉から現れゆっくりとフィアナの前まで歩いてくる。ふくよかで柔らかな印象を与える女性で、年齢は五十代後半といったところか、大分皺が多い。
「ご足労おかけして申し訳ございません。フィアナ様ですね?私はサファイアと申します。この教会で水の宝玉の守護を任されていました。お話はこちらで・・・」
 そう言うと、サファイアは奥にある扉へと歩いて行き開く。中は応接間になっていてテーブルを挟む様に二人掛けのソファーが置かれている。サファイアはフィアナとシンクに掛けるように勧めると、「少々お待ちになってね」と言い残し応接間の奥に姿を消す。
 暫らくして、サファイアはティーカップを乗せたお盆を持ち、応接間に戻って来た。柑橘系の香りを漂わせ、ハーブティーがカップへ注がれる。「どうぞ」と、フィアナの前にカップを置くと(シンクとダリアは精霊なので飲食はしない)フィアナと向かい合う様にソファーへと腰掛ける。
「いただきます」
 フィアナはそう言いカップに口をつける。一口飲んで「おいしい」と素直に感想を述べると、サファイアの顔を見る。サファイアは一呼吸置き、話し始めた。
「三週間ほど前の事です。月の蝕の日(月食の事)でした。ローレライの国では月の蝕の日は闇の精霊を恐れ、夜出歩く者はいません。この教会には私の他に三人のシスターがいました。皆、二階にある部屋に寝泊りしています。毎日、就寝する前に教会内を見回りしているのですが、その日、当番だったアメリが発熱してしまい、代わりにソニアが見回りに行ったのです。私ともう一人のシスター、ローラはアメリの看病をしていました」
「三人のシスターにもお話聞きたいのですが、お願い出来ますか?」
 フィアナがそう言うと、サファイアの瞳は暗い色を浮かべる。
「アメリとローラは、街に買出しに出ています。陽が落ちる前には戻ると思います。しかし・・・ソニアは、あの夜から行方不明なのです」
「行方不明・・・?」
「見回りに行ったままソニアが戻らないので、心配になって私が様子を見に行ったのです。しかし、何処にもソニアの姿はありませんでした。そして、水の宝玉も・・・」
「宝玉はいつも何処に?」
「大聖堂のウンディーネ像の中です、ダリアに守護をお願いしていました。宝玉がこの教会にある事はもちろん、ウンディーネ像の中に入れる事も私以外誰も知らないはずです・・・。宝玉が奪われた時、ダリアは何者かに封じられてどうする事も出来なかったそうです」
「それで・・・サファイア様はシスターソニアをどう思っていらっしゃるのですか?」
 サファイアは膝の上で組んだ手に視線を落とす。
「ソニアはどこかつかみ所の無い様な、本心をなかなか見せてはくれない子でしたが・・・決して今回のような事をするはずがありません。むしろ、教会を護ろうとして巻き込まれたのではと心配なのです」
 その答えにフィアナは頷く。
「サファイア様のお心、私も信じます。ダリアは封じられていた時、何か感じませんでしたか?」
「ソニアが誰かと言い争っていたように思います。ただ、深い深い所に封じられていたので・・・」
 すまなそうにダリアはうつむく。
「守護精霊を封じるなんて、余程の精霊使いか呪術師・・・。とりあえず、ウンディーネ様に報告しなければなりませんね」
「ええ、よろしくお願い致します。宝玉を奪われてしまったのは私の責任です、ダリアにはどうしようも出来なかった・・・ですから・・・」
 サファイアは立ち上がると深々と頭を下げる。ダリアの立場を心配しているのだ。
「分かっています。サファイア様の事も・・・心配なさらずに」 
 フィアナも立ち上がり、サファイアに頭を上げるように言うと、応接間の扉がノックされた。扉の向こうから「アメリとローラです。ただ今戻りました」と若い女性の声が聞こえた。
「お入りなさい」
 サファイアがそう言うと「失礼します」の声の後に扉が開かれた。
 二人はフィアナの姿を確認すると慌ててお辞儀をする。フィアナもそれに答え軽く会釈した。
「こちらはフィアナ様、ソニアの事でわざわざ来てくださったのよ」
 そう言うと、黒髪を肩の高さで揃えた少女がフィアナに向かい挨拶をする。紫黒の瞳で物静かな印象を与える。
「初めまして、アメリと申します」
 次いで、長い金髪をみつ編にし、後ろで結んでいる少女が挨拶をする。瞳の色は暖かい橙色でアメリとは全く逆の明るく健康的な印象だ。
「初めまして、ローラと申します」
 ローラはぺこりとかわいくお辞儀する。
 フィアナは簡単に挨拶を返すと、ソニアが居なくなった夜の事を二人に訊ねた。宝玉の事は特定の者しか知らない為、ふせて話をしている。
 アメリは熱で寝込んでいたので、その夜の事は何も分からないと言う。夜中に人が動く気配を感じたような気がしたが、月の蝕の日で真っ暗だった上に熱で意識も朦朧としていたので確信は持てないという事だった。ローラはサファイアと一緒にアメリの看病をしていて、ほとんど付きっ切りだったと言う。サファイアがソニアの様子を見に行っている間も特に気が付いた事はないらしい。サファイアが戻ってきて、ソニアが居なくなった事を聞いて動揺したが、サファイアと話し合い、翌日探すことにした。ローラは朝までアメリの傍に就いていたが、途中で眠ってしまい、その間の事は何も分からないと言う事だ。
 期待はしていなかったフィアナだが、ここまで手がかりが無いとなると溜息も出る。
「ご協力感謝します。最後に、ソニアが行きそうな場所に心当たりは?」
 そう問うフィアナに三人は首を横に振る。「そうですか・・・」と、二度目の溜息を吐くとフィアナはサファイアの「今夜は教会の方で休んで行って下さい」と言う申し出を丁重に断り、教会を後にした。


 もうすっかり陽の落ちた街道をフィアナは歩いていた。両手を組んで頭の上に伸ばすと、今までサファイア達と話していた口調とは全く違うのんびりした口調で話し始めた。
「シンクぅ〜。お仕事とは言え、急いで喋ると疲れるね〜」
「フィー・・・いつも言ってるだろ?お前がトロ過ぎんの・・・」
 風と共に姿を現した風の精霊シンクは、フィアナの横に並ぶと半ば呆れた様に言う。フィーと言うのはフィアナの愛称である。
「トロくないもん!」
 フィアナは頬をぷぅと膨らませ、シンクを見る。
「はいはい。のんびり歩いていると置いて行くよ」
 シンクはフィアナの頭をポンポンと叩くと、髪をなびかせ気持ちよさそうにフィアナの頭上で飛び回る。フィアナはそれを恨めしげな瞳で見上げていた。


 それから暫く歩くと、フィアナとシンクの前に大きな滝が見え、水飛沫がフィアナの頬を濡らした。フィアナは激しく叩きつける滝の目の前まで歩いて行くと、何の躊躇も無く滝壷の方へ歩みを進める。不思議な事にフィアナは水の上を普通の道の様に歩き、叩きつける滝をくぐった。滝をくぐって全身びしょ濡れになるはずだが、滝をくぐる前となんら変わりなかった。
 滝を抜けたフィアナの前には水の世界が広がっていた。床、壁、天井全てが水で出来ているのだ。辺りには水泡がいくつもあり、跳ねたり漂ったりしている。水の精霊達だ。
「フィー!」
 突然呼ばれフィアナは声のした方を向く。
 くせのある金髪に透き通るようなブルーアイの少年がフィアナへと駆け寄って来る。歳は十五、六といったところだろう。
「リオンだぁ」
 フィアナは自分を呼んだ相手を確認すると、瞳をきらきらさせて少年の名を呼ぶ。その様子を見てシンクは大きく溜息を吐き、うなだれた。リオンと呼ばれた少年は、中々の美少年。そして、フィアナは恐ろしく呆れるほど面食いなのである。美形なら相手が奴隷商人だとしてもついて行く勢いだ。実際、騙されそうになって慌ててシンクが助けた・・・なんて事もある位なのだ。
「フィー、僕の管轄なのに調査を頼んでしまって悪かったね。ウンディーネ教会から連絡があった時、丁度他の仕事に出ていたんだ」
「シンクもご苦労様」とシンクがいる方を見て言う。
 フィアナとリオンの仕事は、世界の秩序を保つ事である(職名はガードと言う)。この世界は六精霊の力により守護されているのだが、時に問題が起きたりもする。六精霊とは、風、水、土、火、光、闇の精霊の事で、闇以外は(闇の精霊は光の精霊によって封じられている)精霊の長(大精霊という)が守護している。遠い昔、元々六精霊は一つの存在であった(正確には風、水、土、火の四精霊でフォースと言う)しかし、いつしか己の強大な力に溺れ、世界を支配し始めたのである。当然、秩序の乱れた世界はバランスを失い、全てが失われようとしていた。そこに、光の精霊が現れ、フォースの強欲な部分を闇として封じ、フォースを四つに分け、更に力を精霊界と人間界の二つに分けた。それが、大精霊と宝玉である。
 宝玉は人間界に安置され、善良な精神を持ち、尚且つ精霊と交信出来る者に守護を任せている。
 今回、水の宝玉が奪われた事に関しては、本来ならウンディーネの国の配下であるリオンが調査するのが本当なのである。が、世界には、フィアナやリオン以外にもガードは存在していて、自分の管轄外であっても調査協力する事は珍しくない。
「いいえ〜、丁度近くを通ったから・・・全然、平気ですぅ。それに、リオンの頼みなら喜んで引き受けますぅ」
 フィアナはリオンの手を取り、満面の笑みで答える。リオンもそれに動じる事無く、笑顔を返すあたりフィアナの事を良く分かっているのか・・・はたまた、気にしない性格なだけなのか・・・。するとフィアナは突然、思い出したように問う。
「今日はいないの?」
 フィアナの言う、「いない」の対象はリオンの守護精霊、アクアの事である。アクアは水の精霊で、現われる時は少女の姿をとっている。いつもフィアナがリオンに近づくと、決まって間に割り込んでくるのだ。
「アクアかい?今回の事で他の街の精霊に話を聞きに行ってもらってるんだ」
 それを聞いたフィアナの顔は極上の笑顔である。
「フィアナ、早速で悪いんだけど・・・話聞かせてもらっていいかな?ウンディーネ様もお待ちなんだ」
「リオンともっとゆっくりお話したかったけど・・・仕方ないですぅ。ウンディーネ様の所へ行きましょう」
 そう言ったフィアナの顔からは極上の笑顔が消え、本当にがっかりしていた。


 フィアナはリオンに連れられ、大精霊ウンディーネの目前にいた。リオン、フィアナ、シンクの三人は方膝を付き、頭を下げる。精霊界での正式な敬礼である。
「ご苦労であったな、三人とも楽にしなさい」
 そう言われ、三人とも立ち上がる。基本的に精霊には性別が無いのだが、性格によって相応しい姿が創られる。また、見る相手によっても姿を変えたりもする。ウンディーネは美しい聡明な感じのする女性の姿をとっていた。
 フィアナは、ウンディーネ教会での話をウンディーネに報告する。ウンディーネは少し考えた後、口を開く。
「フィアナ、あなたにはこの件に関しての調査を続行していただきたいと思います。シルフにはもう了承を得ていますから。リオンと協力してソニアと宝玉の行方を捜して下さい。ただ・・・宝玉の反応が全く感じられません、よほど強力な力を持って宝玉を隠しているのでしょう。守護精霊を封印出来る程の力です、決して無理はしないように・・・お願いしますね」


 ウンディーネの部屋を後にし、フィアナはリオンの部屋に来ていた。
「リオンと一緒にお仕事が出来るなんて、不謹慎かもしれないけど嬉しいですぅ」
そう言うフィアナの頭をシンクがポカッと叩き「本当に不謹慎な奴・・・」ボソッとそう言う。
 叩かれた頭を両手で押さえながらシンクを恨めしげに睨むフィアナ。そんな二人のやり取りを苦笑してリオンが見ていると、「私が居ない間、リオンに何もしてないでしょうね?」と言う声がフィアナの頭上で聞こえた。声の方を見ると、そこには涼しげな雰囲気の少女が浮いていた。
「アクア」
「お帰り、アクア」
 フィアナとリオンの声は同時に少女を呼ぶ。呼ばれた少女はリオンの守護精霊である。
「ただいま、リオン」
 アクアは、リオンの背後に回るとフィアナに向かってあっかんべーをした。フィアナはちょっとムッとしたが、構わない様にする。アクアの態度はいつもの事、いちいち相手をしていたら疲れるだけなのだ。
「アクア、今回の仕事、フィーも一緒にする事になったんだ。ところで、どうだった?」
アクアは、「え〜!どうして!」などと抗議していたが、仕事の事は素直に話し始める。
「ソニアの姿はあの夜以来、誰にも確認されていないわ。街にいる精霊達が見ていないなんて有り得ない・・・。ただね、教会から逃げるように黒髪で長髪の男の人が出てきたって。でも、宝玉は持ってなかったみたい」
「それで、その男の人は今、何処に?」
「港町エンフィールド、そこにある道具屋に住み込みで働いているわ。精霊の話だと、店主の名前はグロック、男はソニックと名乗っているわ。髪を短く切って金髪に染めているって」
「ソニアと何か関係あるのかな?」
 フィアナが言う。
「どうだろう。でも、容姿を変えるって事は、誰かに追われているとか・・・何か事情がありそうだね。とりあえず、居場所も分かっている事だし、直接本人に話聞きに行こう」
 リオンの言葉に一同頷く。ローレライの地図を広げエンフィールド間での道のりを確認する。ローレライはアルファベットのLを鏡に映した様な形をしている。
「エンフィールドはここ」
 そう言うと、リオンはローレライの西に位置する街ヒューロンの最西端を指差す。
「ここの精霊界からは北の街ナイアスにしか通じていないから、ナイアスから南の街ニンフを通って、ヒューロンに入るしかないかな。馬車を使えば三日位で着くよ」
「そうだねぇ。じゃあ明日の朝、出発と言う事で」
「フィー、今日一日歩き詰めで疲れたろう?ちゃんと休むんだよ」
 優しい言葉をかけられ、フィアナはリオンの両手をぎゅっと握る。アクアが文句を言っているが、敢えて無視である。
「リオン、優しいのね。離れるのは悲しいけど我慢する。また、明日ね」
 フィアナはそう言うと、リオンのほっぺにキスをする。アクアはそれを見てキーキー騒ぎ、シンクは大きな溜息、リオンは顔を赤らめながらも笑顔である。フィアナが部屋を後にしても暫くニコニコしていた。リオンにとってフィアナは、結構お気に入りらしい。そんなリオンを見て、更にアクアは不機嫌に・・・いじけて姿を消してしまった。
 そんなことも露知らず、フィアナは用意された寝室で深い眠りに落ちていた。


posted by 沙月涼音 at 15:24| Comment(0) | TrackBack(0) | オリジナル小説 リレー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年08月23日

BlueMoon Symphony  by suzune

moon.jpg


この世界は、六精霊によって守護されている。
世界の中心である、人間界。
その人間界から、
北に位置する『風の精霊』
西に位置する『水の精霊』
南に位置する『地の精霊』
東の位置する『火の精霊』
そして、人間界を挟むように
上には『光の精霊』
下には『闇の精霊』
それぞれの地に、精霊の守護があることで、バランスがとれ、世界は安定していると言われている。



精霊の力を全て手に入れると、完全なる力を手に入れられると言う。


古の言葉である……



 ここは、西の外れにある港町「エンフィールド」人口は約千五百人、この辺の地方としては、割と大きな町に分類されていた。
 そんな町の中にある、道具屋でソニックは住み込みで働いている。アイテム鑑定が出来るというのが、店の主人に気に入られたからだ。主人の名はグロック、年齢は自称四十、身長は百七十センチで体格は少し重たそうだ。いつも頭にバンダナを巻き、その中は、ソニックさえもまだ見たことが無い。
「ソニック……ソニック!」
 早朝と言うには既に遅く、お昼と言うにはまだ早い、そんな時間だった。
 グロックが、二階へと伸びている階段を見上げながら叫んだ。
 しばらくすると、一人の青年が、あくびをしながら階段を降りてくる。
「何ですか?グロックさん」
 黒ずくめの格好で、腰にはガンベルトとミドルソード、髪は金で瞳はブラウン、何処にでもいそうな青年が姿を見せた。
「お客さんだ」
「客?僕に?」
「そうだ」
 そう言われて、カウンターの方へ視線を向けた。そこには、大柄な、いかにも「海賊です」って顔の男が立っていた。その後ろには、仲間とおぼしき人物が数人……五人はいるだろうか。
「わかりやすねぇ、人相も最悪」
「こら聞こえるぞ」
 グロックが耳打ちする。
「ここからじゃ聞こえませんよ」
 そう言って、ソニックはカウンターへと近づいていった。
「貴様がソニックか?」
 野太い声で、大柄の男が言った。近くで見ると、その大きさが一層実感できる。身長は二メートルはあるだろうか、体重は三桁を超えている事は、一目瞭然であった。スキンヘッドで首は埋まり、上半身は裸、その身体には、無数の傷が残っている。
「僕に何か?」
「このアイテムの価値が知りたい」
 そう言って、男はカウンターの上へ無造作にアイテムを置いた。
「へぇ……で、あんたの名は?」
 広げられたアイテムを、選別しながらソニックが聞く。
「モリスだ」
「モリスねぇ」
 ソニックは、風貌に似合わない名だと思い、少し笑った。
「何だ?」
 その態度が気に入らないのか、モリスが凄む。
 だが、ソニックは怯む事無く鑑定を続けた。そして
「それじゃモリスさん、全部で一七点、価値のある物は、そうだね四点てとこかな」
「よ、四点だとっ?冗談ぶっこてんじゃねぇぞっこのガキッ」
 ソニックの鑑定が不服だったのだろう、腰に差していたロングソードを抜き、その切っ先を喉元へ向けた。
「もう一度聞くぜ、この中で、価値のある物は何点だと?」
 モリスの殺気が店内に充満した。だが、ソニックは涼しい顔で
「止めなよモリスさん、何度聞かれても、鑑定結果は変わらない」
「てめぇ、自分が何言ってるのか分かってるのか?」
「分かってるさ、僕はあなたの様な人が、大嫌いなんですよ」
「そりゃ気が合うな、俺もてめぇみたいのは、ムシがすかねぇんだ」
 ソニックを睨みながら、伸ばしていたソードを店の入り口に向け、外に出ろという仕草をする。
「いいでしょう」



 店を出、少し歩くと、この町の広場がある。大道芸人が自分の芸を磨き、それを見に見物人が集まり。吟遊詩人は世界の世相を歌い、人々はそれに聞き入った。そんな中に、ソニック達は入って行った。
 決して大きくはない青年と、それを囲うようにして歩くモリスとその手下。いやでも人目を引く。
「この辺でどうかな?」
 ソニックは適当な場所で、その歩みを止め大男に向かって言った。と、同時位に野次馬が何処からともなく集まり始めていた。
「詫びを入れるなら、今のうちだぜ坊主」
 ニヤリと笑った顔は、不気味で悪寒が走るほどだった。
 店内では気が付かなかったが、モリスの腰には、形の違うロングソードが二本ぶら下がっていた。その二本のソードをゆっくりと抜く。一本は両刃で平たく、もう一本は片刃で先が大きく弓なりになっていた。
「げへへへへ、さぁ、抜けよ」
 と、ソニックにミドルソードを抜く様に促した。だが、その下品な笑いをかき消すかのように、三発の銃声が響いた。その瞬間、抜いたばかりのソードは、半分の所から折れ、地面に突き刺さっていた。何が起こったのか分からないモリス。しかし、ソニックに目を向けた時、全てが理解できた。
「飛び道具だとぉ!」
「卑怯だとも? 僕は、あんたとスポーツする気はないんでね」
「貴様……」
 睨んだモリスをよそに、ソニックは更に一発撃った。今度は、腰に挿していた鞘が、地面にガチャリという重たい音と共に落ちた。銃口からは、細く薄い煙が立ち昇っていた。
「今度は外さないよ」
 ソニックは、銃口をモリスの額に向け、僅かに微笑んだ。
「くっ、お前ら、引き上げるぞ」
 モリスは恨めしい顔を見せると、その手下に引き上げの指示を出す。折れたソードと鞘を、その場に残して海賊達は港の方へと姿を消した。と、次の瞬間、歓声と拍手の嵐が巻き起こった。



 ソニックが店に戻ると、カウンターには海賊が残した、大小様々なアイテムが残されたままになっていた。店主であるグロックが、そのアイテムを繁々と眺めていた。
「ただいま」
「おかえりソニック、今日は早かったな」
「面倒だから、数発撃ち込んでお引取り願ったよ」
 ソニックが、銃を撃つ仕草をしてみせる。
「ははははっ、そうかそうか、お前らしいよ」

 夜も更け、通りには人の姿は殆ど見受けられない。
 そんな中で、怪しい人影が五つ、そのうちの一つは、巨漢と言うに相応しい影だ。道具屋の前まで来たその影は、腕を大きく回した。その時だった。背後から声を掛ける人物が一人。
「そこで何してるのかな?」
 巨漢が振り返り、声の主を見た。
「貴様……」
 そこには、ソニックが立っていた。後ずさるモリスを追い詰めるように、ソニックがゆっくりとした足取りで、一歩、一歩、また一歩と近づく。
「これはこれは、昼間の方じゃないですか、確かモリスさん」
 余裕の表情のソニック。モリスも負けじとソニックを睨み続けた。
「忘れ物を取りにきたぜ、貴様へのな」
「そうですか」
 そう静かに言った途端、ソニックの雰囲気が変わった。その変化を感じ取ったのか、手下達は後ずさりを始めた。痛いまでの殺気だった。
「き、貴様、何者だ」
「答える必要は、無い」
「何っ」
 ソニックはモリスの喉元に、銃口を向けた。
「一つだけ聞く、お前は、シャドー・オブ・ヴァンパイアと言う名を、聞いた事があるか?」
「な、何だ……そ、それは」
「知らないのならそれでいい」
 ソニックは、その目を閉じた。と、それと同時に、静寂を破り一つ銃声が鳴り響いた。暗闇の中、巨漢がその場に崩れ落ちる姿があった。
「神のご加護を・・・」
 ソニックは、静かに自分の胸で、十字を切った。
posted by 沙月涼音 at 12:55| Comment(0) | TrackBack(0) | オリジナル小説 リレー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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